JAXA鹿児島宇宙センター気象観測システムの開発

気象データ処理設備更新およびイプシロン打ち上げ対応設備

宇宙航空研究開発機構(Japan Aerospace Exploration Agency : 略称 JAXA)様から種子島宇宙センター・ 気象観測システムの更新と内之浦宇宙空間観測所・気象観測システムの新規開発をナショナルインスツルメ ンツ社の製品とNI LabVIEW を使用して開発させて頂くことになった。本システムは、種子島宇宙センターと内之浦宇宙空間観測所に設備する気象観測センサを取り込むシステムとなる。種子島宇宙センターに関しては既存の『気象データ処理設備』の老朽化更新及び「地震観測システム」の取り込み機能を追加することを目的とし、内之浦宇宙空間観測所はイプシロン打ち上げ対応のための新規設備となる。

特徴

大規模なインフラの整備は長期にわたるため、既設システムの導入は億単位のコストがかかっていた。しかし、システム全体に関するプログラムをLabVIEW内で統一的に構築できること、およびNI CompactRIOの採用により、従来の1/2以下、約5ヶ月という短期間でシステムを完成することができた。これらにより、既存システム導入時の 1/5 以下のコストで構築することができた。 また、NI CompactRIO のソフトウェアを修正する場合、NI CompactRIO が設置してある場所まで行くことなく、ネットワークで接続されている気象室の管理 PC からソフトウェアの入れ替えが可能なため、保守性にも優れたシステムとなっている。

1. 耐環境性、コンパクト性
NI cRIO-9111 の動作温度は、-40℃から 70℃のため、屋外の厳しい環境下にも耐えることができた。また屋外収容箱はスペース的な問題もあったが、非常にコンパクトなため、難なく設置が可能だった。

2.ネットワーク上からのデータ閲覧機能
LabVIEW の Web サービスを導入し、ユーザはブラウザから任意のNI CompactRIO にアクセスすることができ、リアルタイムで気象センサの値をモニタリングすることが可能となった。

3. 信頼性の高いシステム
基本的にNI CompactRIO は集録したデータをUDP でサーバに送り続けてリアルタイムで表示しているが、データは常にコントローラに接続されたUSBメモリに保存される。ネットワーク上に何らかの不具合が生じたとしても、スタンドアローンでロギングし続けるため、データのロスの心配がない。24 時間に1回、1日分のデータをFTPでサーバに転送することで、サーバのデータロスを回避した。